FUJIFILM(富士フイルム)は、カメラ・フイルムの大手で、写真フイルムの分野ではトップシェアを誇ります。
現在は富士フイルムホールディングスとして、写真関連や化粧品を手がける富士フイルム株式会社、複合機などを手がける富士ゼロックス株式会社など多数の関連会社を傘下に収めています。
写ルンです・チェキ・デジカメのFinePixシリーズなどのヒット商品を持つので、会社の知名度は非常に高いです。
富士フイルムが化粧品を売るようになった理由を中心に、FUJIFILMの概要と歴史をまとめました。
FUJIFILMは従来のネガを使って撮影する写真フイルムのトップメーカーです。
写真フイルムの市場は2000年まで成長を続け、富士フイルムの売上高は1兆4,403億円。
その内、約6割を写真フイルム事業が占めていました。
しかし、以降はデジカメが急速に普及し、5年後の2005年にはフイルム事業の売上は大幅に縮小します。
ライバル企業が業績を落とす一方で富士フイルムは化粧品と医療関係の製品がヒットを遂げ、2007年には写真フイルム市場が最盛期だった2000年の2倍に迫る2兆8,468億円まで売上を伸ばしました。
参考URL:富士フイルムの事業 https://ir.fujifilm.com/ja/investors.html
富士フイルムグループ2023年3月期決算の売上比率はこのようになっています。
ヘルスケア&マテリアルソリューションの主力はX線・内視鏡などの医療機器や医薬品なので、化粧品単体で見れば主力事業と呼べる規模ではありません。
しかし、現在は写真フイルム事業は全体の16%のみでヘルスケア関連事業が最大の売上を占めていて、本業の片手間で化粧品を手がけているのではなく、アスタリフトシリーズは富士フイルムの主力産業と呼べる存在です。
このように、化粧品事業はデジカメの普及・写真フイルムの市場低迷に比例して、会社全体が成長を遂げた実績に大きく貢献しています。
ご存じの方が少ないですが、写真フイルムの主成分はコラーゲンです。
そして高画質の写真を作るには、極薄の写真フイルムの中で決められた場所に微粒子を安定的に届けるナノ技術が使われています。
さらに、写真フイルムと肌の角質はほぼ同じ厚み。
こうした共通点が多いことが化粧品事業へ参入した要因です。
化粧品への参入を発表したのは2004年で、当時は写真フイルムの需要が大幅に低下した時期でした。
本業が不調という浅はかな理由で参入したのではなく、写真フイルム事業で研究を重ねてきたコラーゲンとナノ化技術のノウハウが化粧品に応用できる確固たる自信を持っていたのでしょう。
そして、化粧品事業参入から僅か3年後の2007年に、アスタキサンチンをナノ化したナノアスタキサンチンの開発に成功し、大ヒット商品のアスタリフトが誕生しました。